香取神社の梅が満開になった。押上にきて7度目の春。
お店から徒歩十分くらいに香取神社がある。
小村井梅園がその東隣にあって、江戸時代から文人に人気があったところで、将軍も待ち遠しい春のこの季節に御成りした名所。
「こむらい」ではなく「おむらい」と呼ぶ。近くの「かめや」というレストランの名物が「小村井飯」と書いて、「オムライス」。
いろな意味で「うまい」
鬼平犯科帳にもよくでてくるお寺が押上駅前にある。
「押上村の春慶寺」。先月7日の木曜日、その日蓮宗の古刹で、「蕎麦会」をやることになった。
30人くらい檀家さんが集まって、普段は葬儀場になる場所で「寺方蕎麦」よろしく蕎麦を打ち、みんなで鴨なん蕎麦や、てんぷらそばを楽しんだ。
その中にホーチミンに住む女性がいて、キラキラと目を輝かせながら「ベトナムで蕎麦会をやっていただけませんか?」というので、いつものようにあまり深く考えず、「いいです」と答えたら、ほんとうに5月の中旬に「ホーチミンで蕎麦会」をやることになった。
今日は、切れたパスポートを更新にいく。
更新、といえば、お店の営業許可書の更新が先月無事終わった。飲食店は5年に一度更新をし、保健所の検査なんかが入る。
会社の寿命は35年、というのが昭和の時代に言われていたけど、平成に入ってからは「5年」くらいが平均らしい。
飲食店は、100件できて6年目を迎えることができるのはせいぜい10件、しかも残らない90店は創業2年以内になくなっていく、というのが厳しい現実らしい。
アベノミクスとかが新聞をにぎわせているけど、消費税があがったら、阿鼻叫喚みたいなことになりそうだし、そこまで会社やお店や自治体や国がほんとうにもつのだろうか? と心配になるような今日このごろ。
どんなに世の中が混沌としようが、人目を気にせず、美しく見せようなどという欲もなく、ただ咲いている花がいい。まだ寒さ厳しい早春に咲く梅は昔から「生みなさい、新しいことを生み出しなさい」というような花言葉、言霊を持つ。
今月から、花のお稽古とは別に「古典華道入門」という講座が天真庵で始まった。
先生に勧められた「日本の生花」(西堀一三)の本を先日読んだ。
はしがきに、ただ一行が書いてある。
「咲く花は、心に願いをもっている。」
毎日、珈琲を自分で入れる、お茶を入れる、花を生ける、俳句をひねる、酒を飲む、本を読む、書を書く、絵を描く、もちろん人の役にたつ仕事をする・・・その中のどれとどれを、「るーちんわーく」にして、肩肘を張らず、上手にこなしていく、とかいうのは、「花のある人生だった」と思えるようかどうかの分かれ道のような気がする。
感謝・野村拝