2019/05/26 (1027) 『昨日の朝、携帯がなった・・・ 』

昨日の朝、携帯がなった。

「ふ~助」からだ。名古屋の動物園の近くに、「そば切り ふ~助」という蕎麦の名店がある。

開店が2007年の春で、天真庵と一日違い。

無駄のない縁でつなっているようなお店だ。

電話にでると、女将さんの声で「今日、うちのアルバイトだった〇〇子が、天真庵にそばを手繰りにいくそうなので、よろしく。金沢出身で美人でいいこ」とのこと。

まったく、そのまんまな、加賀美人がカウンターでそばを手繰りにこられた。

 

尾張名古屋は城で持つ、という言葉があるけど、「蕎麦屋はかみさんでもつ」と昔から言われる。

そもそも蕎麦屋のおやじというのは、少し偏屈や頑固な男がやっている場合が多い。

気にいらぬお客に対しては、「二度とくるな」

という顔をしているし、はっきり声に出したりする主人もある。

そんな頑固親父の酸性気質を中和してくれるのが、女将さんの役割だ。

 

先週もその女将が天真庵にくるなり、ピアノの上に飾った花を見て「シャクヤクきれいだなあ」と独り言のようにつぶやいた。

知ったかブッタの場合は「ねえ ねえ これシャクヤクでしょ~ 私花を習っているからわかるの ボリボリッ」となる。

百年の恋も、ちょっとした知性も台無しになる。

花に関心のない人よりましだけど・・

 

「立てば芍薬(シャクヤク)座れば牡丹歩く姿は百合の花」

美しい花を形容しているのではなく、所作、つまり立ち居振る舞いの美しさを表わしている。

 

名古屋といえば、「エビフライ」や「味噌煮込みうどん」が主流だと思っている人が多い。

いやいや蕎麦が美味い店もけっこうある。

「ふ~助」にいき、蕎麦を手繰ってみると、「なるほど」と合点がいくはずだ。

カウンターでふ~助と談論風発しながら飲む時間は格別である。

旅先で美味い蕎麦屋の出会い、そこの地酒でそば前をやる。

そんな至福なことはない。

 

感謝・野村拝