「ペレットストーブ」を導入し、柱時計の下に設置した。
試運転に火入れをした。
廃材を粉砕し乾燥させ、小さな塊の木片、まるで猫砂のような形状のペレットをストーブの上の蓋から入れ、スイッチをオンする。
5分くらいすると、ペレットが自動的に数個づつ燃焼するところにパラッパラッと落ちてきて、赤い炎をだしながら燃える。
まさに♪冬がくる前に・・
薪ストーブやペレットストーブは、炭火や太陽熱と同じような「輻射熱」(ふくしゃねつ)を利用する。
遠赤効果で、その間の空気その他の気体の存在に関係なく、 直接電磁波の形で伝わる伝わり方を輻射熱という。
昔から焚火や囲炉裏の炭に人が集まってくるのは、自然に近い「ぬくもり」があるからだ。
「徒然草」の時代から、「家の作りやうは、夏をむねとすべし」とある。
この後に「冬はいかなる所にも住まる暑き頃わろき住居は堪へがたき事なり」と続く。
でも、能登に暮すようになり、真脇(まわき)の縄文住宅をたてるお手伝いをした時、「ちょっと、ちがうんじゃない?」と縄文人の声がした。
完成した縄文住宅で、煎茶を入れることを許され、三輪福さんと「縄文茶会」をした。
家の床はそのまま大地。
そこに穴をあけ火をつけ暖をとったり、縄文土器で調理をしたりする。
柱は木、屋根は草。日本の住宅の基本は「木」と「土」と「草」だ。
この風土で「気持ちいい」を実現するには、このあたりにヒントがある。
そして、夏だけでなく、いや冬の寒さを「むね」としなくてはいけない時代のように思う。
いつまで化石燃料や原発を必要とするの?天真庵のHPの「のむら暮らし」に真脇の写真がある。
標語として、「エコ」だの「地球環境」だの「持続可能な生活」などといいながら、メラミン化粧板や、新素材をつかった「気密性の高い家」に住み、電気・ガス・水道を湯水のごとく使う暮らしの中で生活している矛盾。
人も家も「持続可能で健康的なくらし」をするのは、薬にたよる医療、薬剤をつかった建材で寒さや暑さをしのぐのではなく、自然とよりそいながら「調湿」しながら暮らすほうに、シフトする必要があるように思う。
「呼吸する家」「腐る家」が大事。
天真庵の天井には、和紙の座布団みたいなものがぶら下がっている。「炭八」(すみはち)という。
デザインは友人の藤井名人がつくった。山林の木々は、手入れをする人(間伐)がいないので、危機に瀕している。
その間伐材を炭にして、和紙の座布団にいれたものだ。
昔から家をたてる時に、土地に炭を埋めたり、水をためる甕(かめ)に炭を入れて浄化したり、日本人の暮らしには「炭」がかかせなかった。
「炭八」は出雲の知り合いの会社がつくっている。
40万個以上でているらしいが、一番需要が高いのは、東京のマンションと建売住宅だとか・・
能登の冬の寒さ対策のため、薪ストーブとか木材のボイラーとか、いろいろメーカを訪ねたり、導入しているお店にいったりして研究した結果、「まず、東京の天真庵にペレットストーブをおいて、実験してみよう」という結論になった。
「二股暮らしはいろんな副産物をいただく」
朝は具沢山の味噌汁と土鍋でたいた米を喰う。
漬物は「うめ星」入りの糠味噌でつくったものや、自家製の梅干し。
食後のデザートは「はったいこジュース(もしくははったいこヨーグルト)。
夏はなるべくクーラーに頼らず、汗をかいたら、梅シロップジュースで「クエン酸」を補給。
季節季節の旬のものをなるべく食べる習慣をつけ、冬はペレットストーブの炎を見ながら、家族で食事をしたり、お茶を楽しんだり、縄文ドリポットをそこにおいて珈琲タイムにしたり、鉄瓶で熱燗をしたり・・・・無限だ。
都会で生活していても、炭をおこしたり、消したりする訓練をしとくと、田舎暮らしをする時に「昔とった杵柄(きねづか)」になる。
感謝・野村拝