2012/04/12(825) 『来月22日からスカイツリーが開業するので、 ・・・ 』

来月22日からスカイツリーが開業するので、界隈がざわざわしてきた。

天真庵が2007年の4月1日に開店したころは、そんな話はなかったし、「押上」を「おしあげ」と呼べる人も少なく、東京にそんな場所があることすら知らない人が多かった。まるまる5年になり、4月から6年目になった。

これからツリー、そのまわりに3百店くらいの飲食店ができるらしい。そんなのに比べたら、「老舗?」かも、へへ。

5周年を記念したわけではないけど、福岡で「お茶会」があったので、長い春休みをとって、いつものように車に、珈琲とお茶道具をいれて、「夜逃げのような旅」をしてきた。今回は、お先祖さんのお墓参りを兼ね、大阪からフェリーにのって、鹿児島の志布志(しぶし)に降りて、九州をまわることにした。

今年は古事記編纂1300年目にあたるらしい。

神話の坩堝みたいな南九州をぐるぐるまわる旅になった。天孫降臨の高千穂から、西都原(さいとばる)の古墳、その中には、あの「このはなさくや姫」のお墓があった。ちょうど古墳のまわりは桜が満開で、「らしさ」を感じた。

天孫降臨の地があり、高天原(たかまがはら)から、神さんたちが降りてきて、高原町(たかはる)で、初代神武天皇が生まれ、成人して、五ヶ瀬川をわたり、「日の国に向かう」という言霊の日向の美々津(みみつ)までの道程に、ゆかりの場所があまたある。道の途中に、うちの先祖が眠る墓もあるので、いっしょにお参りした。めったにいかない、というか20年ぶりにいったのに、ふたつのお墓に
迷わずたどりつける不思議な縁に感謝。

そして、3月31日は、日本一玉露がおいしい福岡の星野村へいく。そこの古陶館で、原田先生(月に一度宇部から天真庵にお花を教えにきてくださる)が3・5mの桜を生け、小倉の日本礼道小笠原流の人たちが、玉露を入れる、というお茶会があった。夜は、お茶の資料館で、暮れゆく村の景色をみながら、お茶をいただく、という優美なお茶会があった。これも、なんとかという古式ゆかしきお茶点前だった。

自然の恵み、生かされている命を感謝しながら、仲間でお茶やお花を愛でる、こんなに幸せなことはない。何十年も途絶えていた「星野焼」をよみがえらせた陶芸家で詩人の山本源太さんとも会えてよかった。彼の「夕日」といわれる赤っぽい茶碗に玉露を入れると、底に砂金みたいにキラキラしたものが映る。いい。

陶芸家といえば、天真庵の器をお願いしている久保忠廣さんの陶展が「炎色野」で今日から1週間ある。今日・明日・明後日が、久保さんがいる日だ。

天真庵も5年が無事終わり、そろそろお茶を楽しもうと思い「無茶しぃ(634)の会」というのを、始めた。月に一度、天真庵の2階で、正座して星野村の「玉露」や「煎茶」 を気楽に楽しむ、という会。634mのツリーが見える部屋で気のおけない仲間たちとお茶を飲む。こんな幸せなことはない。

今月から「粒々皆辛苦道・バイセン」という珈琲の会も始める。男っぽい会になる予定だったが、参加予定者は、今のところみな女子だ。

今日は、朝から北朝鮮のミサイルのニュース。これで地球が終わる、ということにはならないと思うけど、政治も経済も自然も混沌としていて、明日おわってもおかしくない事例をあげると、枚挙にいとまなしの状態かも。

もしも明日で終わり、になったら、その時は、仲間たちとお茶会でも開いて、お茶やおちゃけを楽しむ、というのがいい。

人間はみな100%死ぬ。その日がいつかは神のみぞ知るだけど、明日になったとしても悔いのないように生きたいと思う。

感謝・野村拝